渋谷アメデオ

SHIBUYA Amedeo

犬と生きる暮らしがしたい

 毎朝 6:30 に目覚ましを鳴らしている。
 迎え入れた子犬はそろそろ月齢 6 ヶ月になろうとしていて、子犬から成犬へと心身ともに成長し始めている。乳歯が抜け始めたり、自我がはっきりして反抗期が始まったり(露骨な無視やわざとトイレを失敗するようになる)、毎日何かしらの事件が起きるので僕としては退屈をしない日々を過ごせている。ごめん、ウソ、毎日退屈しないとかウソ。退屈どころか毎日が子犬と僕の戦争だよ。迎え入れる前からかなり覚悟はしていたつもりだったけど、もともとが運動量を必要とする犬種なのに加えて、全てに手がかかる子犬であるということ、そして僕自身が一人で犬を飼うのが初めてだというのもあって、文字通り毎日何かしらの失敗と成功に一喜一憂している。
 リモートワークのおかげで犬を飼い始めたことが即効でバレて、カメラ越しに子犬をお披露目するハメになる。そもそも転職したばかりで僕の性格もよく知らない同僚たちは訳知り顔で「いいよねえ、かけがえがないよねえ、心の支えになるよねえ」と言ってくるけど、とんでもねえ、心の支えになんてなりゃしねえよ、毎日がストレスとの戦いだよ。 構えば興奮して暴れる、構わなくても退屈で暴れる。子犬自身ではまだ自分をコントロールできないため、一度暴れ始めると転ぶとかぶつけるとか何かしらの事故に発展するまで止まれない。なので、こちらがあの手この手で子犬を止めるんだけど、子犬には止められる意図なんて当然理解できないので、ただただ僕が子犬を邪魔しているだけという構図になる。報われない、びっくりするほど報われない!

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膝の上にいるときだけは大人しい

 愛玩用に小型化されているとは言え、起源は小動物を追い回す狩猟犬だ。1 日に必要な運動量は朝晩 60 分ずつだと言われている。夜はともかく、朝は仕事があるので仕事の支度をする時間も考慮して散歩に行かなくてはならない。6:30 に目覚ましを鳴らし、散歩用の身支度をし、サークル内の掃除と餌の準備を済ませ、家を出るのが 7:30 ぐらい。そこからみっちり 60 分散歩に行って、帰ってきたら餌を与え、自分の朝食も済ませ、スーツに着替えたら大体 9:00 過ぎ。なんとか 10:00 には仕事先に到着できる計算だ。眠い、子犬が来てから毎日がとても眠い。だって、それまで下手したら 9:00 ぐらいまで寝ていた人間だよ? むしろこんな生活ができていることのほうが凄くない? 子犬が来てから僕の体重は最大で 3kg 落ちて、体脂肪率は 2% ほど下がった。子犬の健やかな成長に反比例して、僕の身体はどんどんとやつれていく。でも、仕方がないじゃん、命を預かっちゃったんだもの。自分一人がなんとかなればいいって話ではなくなっちゃったんだもの。だから僕は絶対に死ねない。心の支えにするにはまだまだだけど、少なくとも生きることの支えにはなってくれている。最高に幸せな犬にしてみせるぜ。